こんにちは!手すり屋です!
階段の手すりは屋内の中でも花形の工事に位置付けられます。
「もっと早くつければ良かった^^;」
という声が一番聞かれる場所でもあります。
今回は階段の外回りに取り付ける手すりに関しての考察です。
目次
階段の手すりは降り(くだり)が重要
転落…というとやはり2階からが怖いですね。
昇り切ってふと気が緩んだ時、また2階から降りる時に階段を踏み外して…
手すりのついていない階段の場合、昇りに関しては手をつきながら四つん這いで昇ることもできます。重心が前にかかって安定する上、手も使えるので急な直線階段の場合は手すりを使うより安全かもしれません。
しかし降りの場合は後ろ向きに…、とはいきませんので手すりにも一工夫が必要になります。
手すりは体が安定するまで延長
2階には昇り切った後にこのような水平な手すりを設置することが望ましいです。
階段の先、2〜3歩進めば後方へ転倒する危険性はほとんどなくなります。
また、床面が平坦であれば踏み外しといった事故も防げますね。
水平な手すりに延長できない場合
2階に昇ってすぐにドア、また角になっていて壁にスペースがないレイアウトもありますね?
こういったケースでは縦に延長!
昇り切って縦手すりを持つことができれば、体勢をいったん落ち着かせることができます。
仮に後ろにふらつきが起きた場合でも、横手すりより縦手すりの方が手首に無理なく自然に握れるので、踏ん張りを効かせることが可能です。
降りの場合も、いきなりななめの手すりに前傾姿勢で降りるより、縦手すりを握って体勢を整えてから横手すりに移行する方が踏み外しの危険も減らせることができます。
数年前に他界したボクの母は長い間足を患っていましたが、やはり階段の1段目を降りるきっかけに時間がかかっていましたね。
階段の降りには健常者にはわからない恐怖感があるのです。
縦横延長の最強施工例^^;
壁はコンクリートでガッチリ、階段の上階部分は縦横双方に延長という完全体ですね。
しかも階段の手すりは利用されるご家族のご希望で上下2段^^; 施設ならともかく、個人宅でここまで恵まれた環境はこれ以降経験がありません。
形状としては、上記で解説した縦手すりを設置後に、T字ジョイントというブラケットを使用して水平な手すりを連結しています。
階段手すりを延長するための部材は?
横手すりに延長する場合
角度を水平にするためのフレキシブルブラケットと、水平部が90cm以上に及ぶ場合はそれに応じて中間の受けブラケットが必要になります。
エンドブラケットに関してはもともと必要な部材なので、追加としては上記の部材と延長する手すりの丸棒が必要になります。
縦手すりに延長する場合
横手すり同様角度を変えるためのフレキシブルブラケットと延長分の手すり棒のみです。
水平な手すりを取り付けるスペースがある場合でも、コストを抑えたい場合は追加部材の少ない縦手すりでも十分な効果は見込めます。
ボクが現調(現地調査)に伺った時は必ず提案しますが、すでに仕様が決まっている現場では「なんでココ提案しなかったの?」ということが多いですね^^;
特に介護保険を利用する工事の場合、保険内の工事であれば負担率は1〜3割、これだけで数万円アップなんてことはありません。
DIYで階段の手すりをお考えの方も、階段の終わりをななめで終わらせる方が楽なのですが、せっかくならここまで挑戦してみてはいかがでしょうか?
今回もご覧いただいてありがとうございました!