こんにちは!手すり屋です!
浴室のドア付近に取り付ける手すりとして人気なのが「オフセット型」の手すりです。
台座部分から首が曲がった形状で手が入れやすく、出入りの両方から使うことのできる優れた手すりですがユニットバスへの取り付けには向かないのです。
それはなぜか?
「壁自体がオフセット手すりにかかる荷重に対して強度不足である」
からです。
ではその理由を見ていきましょう!
目次
オフセット手すりとは?
はい、こんな形ですね。
手すり本体を固定する場所と、実際に握る場所の芯がずれている形状から「オフセット」といった表現がされています。
前出の寸法も通常の手すりに比べて大きく、加えてこの形状のおかげで手の挿入が楽になるため1本で出入り2本分の効果があります^^
在来のお風呂の場合
タイルなどで仕上げられた在来工法の浴室であれば、オフセット型の手すりはほぼ問題なく取り付けが可能です。(タイルの劣化がひどい場合はオススメしません^^;)
通常の手すり同様、ドリルで開けた穴にアンカーを打ち込み、ビスで固定する手順となりますが、取り付ける場所がドアの近くになるので、タイルの奥にある柱にもビスを効かせられることが多いですね。
ただしこの場合、柱とタイルの間が中空だと柱にビスがしっかり食い込む分、タイルに強い力が加わって破損の恐れもあるのでその点は十分に注意が必要です。
ユニットバスにオフセットは危険!
オフセット型の手すりと通常の手すりを比べてみましょう。
オフセット型は前出寸法も大きく首が曲がった形状なので、テコの原理が働いてビス留めした台座部分に強い力が加わります。
ユニットバスの壁は数ミリの鋼板かFRPなど樹脂系の素材なのでこの力に耐えるには強度が不十分なんですね。
TOTOのカタログ、オフセット型手すりのページにもこういった注意書きがありますし、実際ユニットバス用のオフセット手すりは販売されていません。
ユニットバスならではの弾性は怪我の防止などに貢献しますが、オフセット型の手すりをしっかり固定するのには不向きなのです。
ユニットバスの出入口には出隅とI型 2本付けがオススメ
ユニットバスにオフセット型の手すり、取り付けができないわけではありません。
でも無理な力が加わって、転んで怪我をしてユニットバスの壁が壊れて…^^; 踏んだり蹴ったりになっては遅いですからね、やめておきましょう。
無理せず2本、壁の両面に縦手すりではなく、浴室側にI型、
洗面所側には出隅の手すりがオススメですよ。
また、洗面所側にオフセット手すりといった方法もありますね。
この場合、濡れた手で使っても大丈夫なように洗面所側の手すりも樹脂製にすることが多いです。
今回はオフセット型の手すりについてのお話でした。
様々な素材や形状の手すりがありますが、それぞれ向き不向きがありますので「便利そう」だけで決めることのないようにしましょうね。
今回も「出隅手すり」の出番がありましたね? ボクの辞書には「困ったときの出隅頼み」という言葉があります^^;
ユニットバスに手すりをお考えの方の参考になればウレシイです!
今回もありがとうございました!